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  • 未生流東重甫

2019年を迎えて


2019年を迎えて

新年明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。

輝かしい新年を迎えられたことと拝察いたします。

昨年は自然災害も多く、あまり振り返りたくない事件が多い年でありましたが、個人的な被害としては幸いなことに屋根瓦が何枚か壊れただけでした。めまぐるしく変わる日常の流れの中で自分を見失わないように心掛ければ良い、という結論になり、昨年に対してはやはり感謝して見送ることが出来ました。

さて、今年はいよいよ平成の最後の年で4月には終わりが訪れます。この締め括りの短い時間を有意義に発展的に過ごしながら、深沈厚重(しんちんこうじゅう:どっしりと落ち着いていて深みのあること)の意を胸に飾る自分を脱ぎ捨てて生きられれば良いなと思います。

今年まず、昨年10月開講いたしましたNHK文化センター青山の教室を軌道に乗せ、いけばな文化の素晴らしさを1人でも多くの方に解って頂きたいという気持ちです。

実は、戦後の発展途上においてはいけばな人口が過剰に多く、教える側の人の教育が行き届かなかった時代があったのも事実です。自身も含めてですが、その分現在日々精進しなければなりません。

私はいけばな芸術家でありたい、という思いで現在も学び、学んだことを伝えるようにしています。人としてだけでなく、芸術家としても少しでも役に立つ人間でありたいという思いを抱きながら今年も精進を重ねたいと思いながら新年を迎えました。

現在、安岡正篤の書物を読んでいますが、最近になって何となく理解できることも多くなりました。書に学び、多種芸術に学び、人に学ぶ。人にはそれぞれの立場があり環境がある。その中でただの一員として生きていくことは難しいものではありません。しかし、いけばな界では、代償に見合う物を返せているかを常に自問自答することが肝要です。

いけばなを形をのみ求める時代が永く続いています。それではいけないと考えはしているものの、未だに答えが出ない「元来の華道とは何か」をより深く探ってみる1年にしたいと思います。

そして皆様のご指導、ご鞭撻があればこそです。今年もよろしくご指導お願い致します。皆様にも素敵な一年であったと振り返る事の出来る年でありますように冀います。

平成31年 己亥の歳 献春

東 重甫

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