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  • 未生流東重甫

2024年2月のコラム

「今月のコラム」を書き始めて気づけば14年の歳月が過ぎていました。時が過ぎるのは早いものです。長い年月進めてきたという自覚は無いに等しいのですが、昔のコラムを読み返してみると聊か感じるものがあります。継続は力なり、と良く言われますが、14年もの長きにわたって続けることができたのは一重に支えてくれる協力者だけでなく、読者皆様のおかげです。この場を借りて感謝を伝えたいと思います。ありがとうございます。


さて、今年は何をお話ししようかと思い、いけばな界に足りない物は何かと考えていたところ、勿体なくも本棚の飾りになっているであろう「伝書」があることに気がつきました。伝書が本棚を暖めているのは何も未生流に限ったことではなく、他の流派も同じ道をたどられているのではないでしょうか。


そこで、今年は未生流の「伝書三才の巻」の内容を紹介していくことにしました。先哲の色々な言葉が、これから始める伝書講義を初心の人に理解して頂く事に役立つのではないかということで引用しながら進めていければと考えています。

指導者の育成は、美を求めるだけに終ってはいけません。華道という道が何を示しているのかを考えながら多くの流派が立ち向っているのではないでしょうか。歴史が育んできた我々の未生流を知り、他の流派の考えを知り、これから進むべき華道を知ることが特に今の時代は望まれているように思います。


古くは中国の歴史が日本に影響を及ぼしてきた思想は、日本の歴史や華道の歴史に強く繋がってきています。華道の先哲はその思想を踏まえ独自のいけばなの世界を積み重ねてきました。ここでその思いを今一度感じて見るのも、いけばなを教授している者の使命ではないかと思いました。この手始めが伝書であり、伝書から感じることではないかという思いに至り、なじみのない方やいけばなを始めたばかりの初心者の方だけでなく、すでに何十年も経験のあるベテランの方にも簡単に復習もできるような伝書の解説を「今月のコラム」として一緒に学んでいくことにしました。伝書の言葉が難しい、漢字が読めないと思っている方は難しいと感じる言葉の解説を含めて解説してきますのでぜひ読んでみてください。わからないことはホームページのお問合せページ等からお問合せいただければ対応していくことも考えています。

 

未生流傳書三才の卷*に説かれています「挿花の大意」を私自身の考えに基づいて紐解いていきます。言葉の意味や内容の把握等の手引きだけでなく、今後のいけばなだけでなくいけばなを教えるにあたりゆとりある教えが出来るなら、今後のいけばな会はもとより未生流の繁栄にもつながるのではないかと考えています。


*:未生流初伝免状取得時に受領

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