• 未生流東重甫

1月の花:若松


未生流ではめでたく新年を迎える花として、元日は若松、2日は伐り竹(きりたけ)、3日は梅をいけてお正月の三が日を祝います。 特に元日は、五節句の日とも考えられていることから、若松を七五三(しめ)の伝でいけます。七五三の伝とは、注連縄(しめなわ)飾りの藁の節を三・五・七と付けた物を飾る所からその数を当て、七五三を「しめ」と称していけばなとの融合を計りました。七五三の伝としていけられるのは、松・竹・梅・万年青(おもと)くらいです。 この若松のいけ方は、その数字に意味を持たせ、7は水引(みずひき)七把の七、5は五体生ずとして体の前添えの新芽を五体に見立てての五、3は体・用・留がそれぞれ陰陽を一対として三対の三として「七五三」とします。 なお、若松は結婚式にも用いられる花で、この場合は七把の水引が腹帯を意味する事もあります。高位高官の方の結婚式には若松・竹・梅それぞれの七五三の伝いけを一つにまとめて「松竹梅」をいけます。 いける際に使用する若松は、3年か4年物の若松で葉があまり長くなく、先端部が平らに近いもので、多めの葉が長くついている物が良いです。ちなみに私は愛媛産の物を使っています。 いけ方は伸びやかで曲を感じない様にします。 7本いけますので足元は用・用添え・留の3本が揃っている事が望まれます。 水引は金銀の水引で、器の口から10cm位の所に結びます。 形は、相生結び(あいおいむすび)皿受け形とし、この凛とした感じが他の流派には無い良さを持っています。青竹の器にいけるとより新年の格調を感じます。他に薄端や銅製の寸渡(ずんど)などにいけて床の間に飾ると格調高くなります。 正月を迎えるに当たりやはりいけたい花の代表です。

flower_wakamatu01.jpg

#今月の花 #花に寄せて

最新記事

すべて表示

NHKカルチャーラジオ講座:『花の文化と季節の行事』開催決定!

いけばなと日本の文化、花のある生活のミニ知識もお教えします 日常生活に溶け込んでいる花と日本文化の関係を、特にいけばなを通じて背景や意義などをお話しします。 古来、花と日本人はどのような関係だったのか。桜には春、山から降りてくる「田」の神様が宿ると信じられており、桜の花の咲き方で農作物の収穫を占ったり、開花時期に合わせ稲の種まき準備を行うなど、農民にとり桜はとても大切なものでした。室町時代にはいけ

「華道玄解」荒木白鳳著 閲覧15

「華道玄解」荒木白鳳著 閲覧15 2021年5月のコラム 何をしていても、過ぎゆく日をどのように感じても、日々は過ぎていきます。なかなか待ってくれないなぁ、とこんな思いでもう新緑の5月を迎えました。そしてやはり植物は「上手く自分を生きているなぁ」と感じてしまいます。 自分が自分らしく生きることは難しいもののようです。別に急ぐ訳ではありませんが、まだまだ自分らしさを追っかけ、ひた走るしかないのでしょ

「華道玄解」荒木白鳳著 閲覧14

「華道玄解」荒木白鳳著 閲覧14 2021年4月のコラム 今年も早いもので4月を迎えます。3月が卒業、退職といった別れの月なら、4月といえば入社、入学、始まりの月です。新春、正月ではなく、なぜか2021年度の始まり、夢多き生活の始まりです。 この1年は今までに比べて自分の時間を少し持てたのではないかと思います。ただ時間が欲しくて都合をつける時間と、現状の余裕ある時間では、時間自体の持つ意味が違って