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未生流東重甫

2018年6月のコラム <陰陽五行3>


2018年6月のコラム <陰陽五行3>

四季と24節気での6月は、夏、仲夏、5月節芒種で6月6日~6月20日、5月中夏至で6月21日~7月5日が当たります。和名の別名には水無月(みなづき)、葵月、常夏月、風待月、鳴神月、蝉の羽月、田草月等があり、これらは旧暦によるもの、新暦では小暑以降のものです。

この頃には梅雨入りし、田に水が張られ、田植えの姿が見えていたのはひと昔前のことでしょうか。季節の移り変わりが激しい昨今、何で季節を感じるのでしょうか。感じ方1つで楽しくもなり、憂欝にもなります。折角の季節を大いに楽しみましょう。

陰陽五行において夏は最も栄える季節です。何もかもが太陽の恵みを受けて良く育ち、陰陽でいえば「陽」の季節です。ありがたく受け止めなくてはなりません。

 陰陽が和合することで何ものかが生じる。生き物の霊長として人が天(陽)、地(陰)に通ずると考え、ここに「天地人三才」が確立されます。このように天の恵みを受け、地の徳を承けて人は歴史を重ねてきました。

人の営みに欠くことが出来ないもの、これが五行(ごぎょう)である木(もく)、火(か)、土(ど)、金(ごん)、水(すい)であり、五行は宇宙に循環する5つに元気とされました。天と地、そして五行である木、火、土、金、水が存在することが人の存在し得る無二の条件です。つまり、この世界に存在する物の全てが五行に含まれ、陰陽に分類されます。

五行説は、中国 夏時代の創始者禹王によって発案されたものとされていますが、基いけばなに関わりがあると考えられる部分を簡単に説明します。

万物は宇宙に循環する木、火、土、金、水の5つの元気*によって成立しており、のちに5つの惑星や様々な事象と結び付けられました。

元気とされる木、火、土、金、水の考え方に五行相性(ごぎょうあいしょう)、五行相克(ごぎょうそうこく)がありますが、これは五行の基本的考え方もあり、相性、相克は占いにも欠かせないものです。相性とは、木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生ず、水は木を生ずとし、相克とは、水は火に勝ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝つというものです。

五行の元気を水、火、金、木、土と相克の順にいう時期もありましたが、現在は木、火、土、金、水と相性の順序でいわれています。この五行に様々な要素を配分することによって五行それぞれの役目や意味を解りやすく説明できるのではないかと思います。

来月は五行に配当される様々な物事とそれぞれの意味を考えてみます。

*:伝書「体用相応の巻」の解説に“五行とは中国古来の学説で、天地の間に循環流行して止まぬ木火土金水の五つの元気、万物組成の元素を云う”と説明がされています。

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