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未生流東重甫

2017年を振り返って


止まることの無い時の流れに置いて行かれそうになったり、急かされてやっとの思いでついて行っているようになったり、と自分で確かな時間を刻むことは出来ていないのかな、と思いながら今年1年もまた健康に過ごせました。とても有り難いことです。

振り返るのには早いかもしれませんが、世情では1年ともなると多くの出来事があります。大して大きなことではありませんが、身の回りの出来事を思い出すだけでもお腹がいっぱいになります。何があって、何が自分を動かしてきたのか解らないうちに新しい1年がやってきてしまうという目まぐるしい毎日ですが、折角の機会ですので振り返ってみようと思います。

まず、3月に未生流いけばな展が1週間にわたって開催されました。この間にいけばな実演デモを行い、他流派の式典にも参列しました。そして4月には米寿を迎えた社中(しゃちゅう:門下弟子のこと)が米寿の祝い花展を催し、お祭りの様に楽しく場所柄もあってか海外の方の入場も多く成功裏に終了しました。

続いて6月には家元総目代拝受記念花展を長岡京市生涯学習センターで催し、屋内の作品だけでなく、竹での大作品を屋外で披露しました。準備から展示当日まで骨の折れる作業も多々ありましたが、無事に終えることができたのはお手伝いいただいたスタッフや社中のみなさんのおかげです。

この6月の花展以降は、外での活動が増えました。まず、7月に2日間の未生流夏季講座にて新花の解説で登壇、そして8月には、芸術的な刺激を求めて渡仏。特に近代美術作品を中心に観賞しました。

10月は長岡文化協会に初めていけばなを出瓶し、11月には支部としての活動の場を求めて京都華道協会入会の検討を始めました。

このように振りかえってみると毎年繰り返される“年中行事”に加えて、多くの催事があり、気づかない間に師走の声がすぐそばに聞こえてきます。12月はお正月花である万年青「大宗観」と若松を主に稽古しますが、これも毎年の繰り返しで“今年もまた”と重く受け止めるのか、“今年こそは”と心弾ませるのか?と受け取り方で随分変わると思います。

折に付け「泰然自若」を言い聞かせ、成しえないまでも近づけたらと思いながら1年が過ぎていきますが、今年1年を無事に終える事が出来る喜びと感謝は皆様と一緒に味わいたいです。そして、今年1年間お付き合い頂いた皆様、私の講義を聞いてくださった皆様、コラムに目を通して戴いた皆様に心から感謝いたします。

来年2018年戊戌(つちのえ・いぬ)年には心温まる出来事が今年以上に多くありますように祈念いたします。

それでは皆様よいお年をお迎えください。

2017年師走

東 重甫

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