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未生流東重甫

2017年を迎えて


2017年を迎えて

新年明けましておめでとうございます。 輝かしい新年を迎えられたこと心よりお喜び申し上げます。本年も素敵な一年でありますように祈念いたします。

2017年を迎えたという新たな気持ちはなかなか湧いてきませんが、頂いた年賀状を1枚1枚読んでいると今年の始まりを実感します。 毎年の年始は、未生流の歳旦祭と新年式に始まり、京都雅支部の新年会と今年1年の頑張りを創りだすところから始まります。私事ですが今年は愚息の挙式の日程と重なってしまい、残念ながら未生流新年式に参加できませんが、めでたい年の始まりを迎える事はとかわりません。今年1年が幸せな過去となるよう、来年まで自分の生きざまを愉しみたいと思います。

さて、2017年の活動ですが前半にかなりのイベントが予定されています。まず3月に大阪阪急百貨店にて未生流展が開催され、京都雅支部から4名出瓶します。翌4月には社中(しゃちゅう:同門の仲間)が米寿を感謝しての個人展を開催します。米寿といえば88歳、この頑張りには頭が下がる思いです。また、6月には免状披露を兼ねた社中展開催を検討しており、現在会場探しに悪戦苦闘しています。

これはいつものことではありますが、作品創りでは「何を表現すべきであろうか」と毎度頭を悩ませます。色々な所に出向いては花会を拝見していますが、中々感じ入る作品に出合うこともなく、その都度自分が出瓶者の立場となった際のことを考えてしまいます。 伝承のいけばなは、その作品を形だけではなく、意味を解し、心を込めていけるべきであり、それが植物芸術ではないかとさえ思ます。形を求めた作品ばかりで心をときめかせてはくれません。 作品は人がいけます。当然、その作品にはいける人の人となりが現れます。これに答えられるいけばな家がどのくらいいるのかと自問自答しています。作品創りに励む際、いけばな家としてだけでなく、人としてもこんな思いを抱きながらいけたいと思います。

また、生け花を教授している以上、「人としても技術においても努力を重ねないのならその立場であってはいけない」と自分自身に言い聞かせながら、今年の終わりには「今年も幸せであった」といえる過去創りに取り組んでいきたいと思います。 新しい1年のモットーを毎年掲げてはいますが、その言葉に到達は出来なくても少しは近づきたく思っています。そして、今年も昨年と同じ「泰然自若」を選びました。昨年よりは少しでも納得のいく1年であるよう努力を重ねたいと思います。 この年になっても未だ目に見えて進歩の色は変化しませんが、今なお少しずつ変化で色づいていく姿を見るのも楽しいものだと思います。 何歳になっても進歩し続ける事が出来れば幸せですね。

今年もこんな私とお付き合いのほど宜しくお願いいたします。

2017年1月吉日 東 重甫

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