2016年を振り返って
師走の慌ただしさを自分とは関係ないような心持ちで過ごしているともう12月も半ばです。気が付くと、あれもこれも忙しく感じられる日々が続きますが、ふと1年が過ぎ行くことを考えるとこれで良かったのかなと思いにかられます。思えば色々忙しくしていたものだと感心さえします。
今年は、未生流家元新年式、京都雅支部新年会に始まり、1月末には、未生流紫雲会の花展、そして3月末には目黒雅叙園の百段階段へ花会出瓶、5月には日本いけばな芸術協会大阪展に出瓶、と花会が続き大阪東京大阪とお手伝い頂いたお弟子さんたちには本当に感謝です。この上半期の忙しさは台北旅行や沖縄でゆっくり時間を過ごす事で癒す事が出来ました。
そして今年後半の目玉といえば10月には有志メンバーと未生流台北支部の方達との親睦会を企画しました。最終的に日本からは12人が参加し、楽しい交流のひと時を送ることが出来ました。
いけばなでは多くの経験を重ねる事が出来た1年ではありましたが、満足できるところまでは届かず、これは来年に期待するしかありません。年齢、経験を重ねても到達感が無いのは努力が足りないのかもしれません。
振り返れば、人情、非人情等で割り切れる事ではない社会のしがらみの中で、人の心の置き場の難しさを感じさせられた1年、いや近年であります。「泰然自若」を装い、流れに身を任せてはいますが、正直なところ、心騒ぐこともあり…まだまだ人として大人になりきれていないのかもしれませんね。
時の流れと共に成長を重ねる事が出来る物でもない以上、自分なりの達成感を求める年になったようです。ともあれ、自分の周りの人への感謝の気持ちを素直に表現できることは嬉しく感じながら新しい年を迎えられればと思います。
皆様もどうぞ良いお年をお迎えください。
2016年 春待月 東 重甫