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  • 未生流東重甫

7月の花:向日葵(ひまわり)


今月は7月灼熱の太陽の下で、青い空の色に似合いすぎる様な力強く色鮮やかな黄色い花を咲かせる向日葵(ひまわり)をご紹介します。 向日葵は、被子植物門双子葉植物網キク科ヒマワリ属ヒマワリ種に属する一年草で、学名をHelianthus annuus L、英名をSunflowerといいます。大きな1つの花のように見えますが、多数の花が集まって1つの花の形を作っている頭状花序(とうじょうかじょ)で、同じキク科に属するキクやタンポポも同じです。別名に日回り、日車、日輪草、天竺葵、太陽の花(向日葵は太陽王と呼ばれたルイ14世の紋章でもあります)などがあります。別名の日回りは、太陽の動きにつれてその方向を追うように花が回るといわれたことに由来しているようです。ただし、花が回るのは生長が盛んな時期に限られています。 種類も多数存在しており、1年草か多年草でヒメヒマワリ、シロタエヒマワリ、ヤナギバヒマワリ等があります。花の色はご存知のとおり、黄色や、オレンジの他にブラウン、白、クリーム、ライム、ピンクなものも存在しています。観賞用としての種類も多く、毎年変種が市場に出回っているようです。花弁に特徴があるゴーギャンのひまわり、花芯まで黄色の花弁のモネのひまわり、ゴッホのひまわりと云った正に絵画に出てくるような品種があれば、葉に特徴が有る大雪山、菊の八重咲きの様な東北八重、クリーム色のバレンタイン、明るい赤の花弁を持つマホガニーベルベット等々多くの種類が出回っています。最近の一代交配品種のサンリッチやカガヤキは花粉を出さないのでテーブルや衣服を汚さない事から切り花専用として注目されています。 向日葵は、観賞用の他に種を搾って食用油のヒマワリ油を生産や、種を煎って食用とすることも出来ます。また、この煎った種はハムスターや小鳥などのペットの餌にも使われています。ちなみにこのヒマワリ油は世界の植物油としてパーム油、大豆油、ナタネ油に次いで4番目の生産量であり、ロシアを中心にウクライナなどで生産しています。向日葵の原産地は北アメリカで、紀元前から食用とされていました。アメリカから16世紀になってスペインやイギリスに渡り、17世紀頃スペインからフランスやロシアに渡りました。前述のとおり、ロシアでは油を採取する事にも着手し、ヒマワリの価値が高められ、ロシアの国花にもなりました。もっと暖かい国の国花のイメージがあるので不思議な印象を受けます。なお、日本には17世紀中頃に中国を経由して渡来したようです。 花言葉にはあこがれ、崇拝、熱愛、光輝、愛慕、敬慕、私はあなただけを見つめる、あなたは素晴らしい、偽りの富、偽金貨などがあります。 先日5月末に京都府立植物園に散歩がてら行ってきました。京都府立植物園は90周年を迎える古い植物園で、純粋に都道府県の管理している園は現在では希なようです。こちらで大正期にアメリカから桜のお返しに送られてきた西洋花水木の原木の話や、「植物は活きており、毎日変化している姿を見て楽しんでほしい」と愛おしそうに話す係の方々の日々の努力を感じました。 今を盛りに咲く花のサツキ・バラ・ハナショウブ・山法師(やまぼうし、和風花水木)、そして咲き始めの紫陽花など、たくさんの花が心を和ませてくれました。乙女椿かと思いますが、咲き残りの1輪また1輪と陰で咲く花に哀愁を感じることもありました! そして、そんな中で少し大きめの葉を広げた、未だ苗の向日葵が出番を待っているようなたくましい姿が印象的でした。 <いけばなと向日葵> 伝承の花として遣う事はあまりありませんが、洋風な格花(伝承花)として使われることもあります。 主にテーブル花や空間芸術としてのいけばなに良い役割を果してくれます。取り合わせも自由で、大きめの葉や大きめの花、キウイ蔓の曲線や縞蒲の様な優しい線物にもよく合います。別名の日輪の様な花弁、モネの向日葵の様な黄色の花弁の塊、花弁を省いたブラウンの花芯、たくましい印象をもつ額(花の裏)など、花だけでも多くの要素を持っている花材です。 取り合わせを自由な心で愉しんで下さい。このためには向日葵をイメージする事が大切ですし、イメージとは別の持ち味に気付く事も大切です。その花に潜在する個性をもいけばなとして表現できれば花も喜びます。 つまり、花の美に気付いて、その美を表現する事がいけばなです。

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