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未生流東重甫

2013年を振り返って


2013年も終わりに近づき、「もう1年が過ぎるのか!」と感じながら師走を迎えています。 まさに光陰矢の如し。私のような還暦も過ぎた年齢になりますと過ぎゆく日が余計に早く感じると聞きますが、そんな思いはみなさんも同じではないでしょうか。ともあれ、2013年を振り返ってみますと、未生流を通じて善きにつけ悪しきにつけ色んな事を学ぶ事が出来た1年だった気がします。 まず、年始早々パリに旅行し、凍てつく寒さの中私自身楽しみはしましたものの、家内にとっては寒さだけが残ったようで、まるで今年1年を予感させるようでありました。次に3月3日に京都雅未生会を設立、京都北野天満宮において発起報告、そして5月に第1回目の花会を杜若(かきつばた)と葉蘭(はらん)をテーマで催しました。この花会では会員非会員に関わらず出瓶者全員が自分の作品に真摯に取り組んだ姿をよく目にすることができ、これは本当に「(開催して)良かった」の一言につきます。 プライベートでは、おかげさまで心身共に健康であり、また、人との出会いにも恵まれ良い1年でした。昨年から始めた格花研究会も参加者が熱心に取り組む姿をみるにつけ、本当に感謝する思いです。 昨年教室を移転しました東京教室では、和やかな雰囲気の中、生徒の皆さん方はいけばなに魅力を感じて頂けているようですし、加えて、昨年からのホームページを通じて新たにお会いできた方々とも有意義な時間を過ごす事が出来ている事が嬉しく思います。また、大阪・京都他での教室でも生徒さん方のいけばなに対する積極的な意欲を感じており、こちらにとっても良い刺激となっています。 私自身はいわゆる教える立場にいるわけですが、「向上心が無い者が人を教えることはその人に対して極めて失礼である。故に、常に人としてだけでなく、技術においても向上すべきであり、少なくとも向上すべく努力する必要がある。」と常々肝に銘じています。そして、今だからこそ「いけばな」「華道」に求められるものは何なのだろう、と時々思うことがあります。 今年は2020年東京オリンピック招致に成功し、日本の「おもてなし」心や文化が世界に認められました。この日々の「おもてなし」の心を大切に学んでいるのが未生流であり、それを形にするのがいけばなです。いけばなは、あくまでも各個人の心を表現することであり、それに嘘偽り必要はありませんが、だからこそ、技術を磨く必要があるのだと思います。 お世辞を言ったり聞いたりすることが好きでない私には今年もまた「泰然自若」は目標で終わってしまうのかもしれません。来年こそは、の思いを大切にしながら残り少ない2013年を日々研鑽しながら楽しく過ごしたいと思います。 皆様も悔いの無い様に残り少ない2013年を楽しみ、そして良いお年をお迎えください。 2013年12月18日  東 重甫

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