top of page
  • 未生流東重甫

11月の花:ツルウメモドキ


蔓梅擬は、ニシキ木科ツルウメモドキ属に属するつる性の樹木ですが、葉の形が梅に似ていることからこの名前が付きました。 5月頃に花が咲き、初夏には黄緑色の実がなりますが、秋になるとこの実が薄黄色に熟します。熟した後は皮の中から赤い種子が現れます。 この赤い実が美しく、蔓性の枝も趣があることから、秋冬のいけばなの花材としてだけでなく、ディスプレイの材料としても好んで使われています。 見た目の「美しさ」「優しい動きの枝」を感じられる蔓梅擬ですが、他の木に絡むように成長し、その木をおおってしまう等、自然においては中々逞しいようです。 いけばなの花材としては、蔓性の植物ですのであまり立ち昇る姿にいける事は有りませんが、まれにいけることもあったようです。 寄せ筒・重ね切りの1番高い所でいける花材としてこの季節には欠かせないものです。 使い方も楽しめる花材であり、例えば、1種でいける・出生の様に、他の木物に添わせていけるなど取り合わせを楽しむことも出来ます。 蔓のおもしろい動きが楽しめる伝書「体用相応の巻」から船三景の1つである「掛り船の景色綱花いけ方の心得」では、蔓梅擬が適材の1つに数えられています。 伝書「三才*の巻」の中にある「草木種々取り合わせいけの心得」では、枇杷(びわ)の体留(たいどめ)に添わせて蔓梅擬の用(よう)を使うとあります。ここでは、出生から他の木に絡む性質と、蔓梅擬の枝があまり強くない所から他の花材に添わせて使うという説明があります。 花会だけではなく、1度は通常のおけいこ等でふれてみたい花材です。 *:未生流における格花(古典花)のいけ方の基本。直角二等辺三角形の形を天・地・人のとし、天は体(たい)、地は用(よう)、地は(とめ)と呼ばれます。

32289_489786554385594_1311523777_n.jpg

最新記事

すべて表示

第2回 未生流傳書三才の巻 《序説解説》 

2024年4月 第2回 未生流傳書三才の巻 《序説解説》 今年の4月は特に未生流支部展が多く催されています。花展とは、支部のお祭りのようなところもありますので作品は何時も愉しく拝見しています。特に、新花や造形は時代の流れの中の一コマで、作品に対する表現のおもしろさがありますが、格花はそうはいきません。花展で学ぶのではなく、日頃の研鑚を発表する場でもあります。形は技術を学ぶ事が出来ればある程度許され

第1 回 未生流傳書三才の巻 《序説解説》 

2024年3月 未生流傳書三才の巻 《序説解説》 未生流の伝書は、「三才の巻」、「体用相應之巻」、「原一旋転之巻」、「草木養の巻」、「妙空紫雲の巻」、「規矩の巻」そして門外不出の「匂いの巻」と全部で7巻ありますが、匂いの巻までの伝書6巻は師範の免状取得までに拝受することができます。未生流でいけばなを始めてすぐに入門・初伝と拝受すると、「三才の巻」を拝受します。師範にいたるまでに6巻の伝書を拝受し、

2024年2月のコラム

「今月のコラム」を書き始めて気づけば14年の歳月が過ぎていました。時が過ぎるのは早いものです。長い年月進めてきたという自覚は無いに等しいのですが、昔のコラムを読み返してみると聊か感じるものがあります。継続は力なり、と良く言われますが、14年もの長きにわたって続けることができたのは一重に支えてくれる協力者だけでなく、読者皆様のおかげです。この場を借りて感謝を伝えたいと思います。ありがとうございます。

bottom of page