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未生流東重甫

時代祭と花


時代祭は、葵祭・祇園祭と並んで京都の三大祭に挙げられていますが、その歴史は浅く、葵祭が567年、祇園祭が863年に対して、時代祭は平安建都1100年を記念して1895年に建てられた平安神宮の記念事業として、行われるようになったのが始まりです。この祭が行われる10月22日は、桓武天皇が794年に長岡京から平安京に都を移した日で、この日を大祭日としました。 この祭りの特色は、神幸祭・行在所祭・還幸祭の神儀の他、葵祭・祇園祭同様2千人ほどの行列なのですが、この行列は明治維新時代から延暦時代に遡った衣装を纏い、御所から平安神宮までの約4.5キロを歩きます。 行列は、明治維新時代の山国勤王隊に始まり、江戸時代の江戸時代婦人列、安土桃山時代の織田公上洛列、室町時代の室町洛中風俗列、吉野時代の楠公上洛列、鎌倉時代の城南流鏑馬(やぶさめ)列、藤原時代の平安時代婦人列、延暦寺代の延暦武官行進列と続きます。 各時代から1つ名を挙げましたが、20列に及ぶ行列で、最初の明治維新から最後尾の延暦寺代の弓箭組列までの大時代絵巻が通り過ぎるのには2時間を要します。さすがに京都らしい祭りと言えばそうなのかもしれません。 時代祭りは他の祭りとは違って、その時代の厄除けや豊作祈願などの祭りではなく、京都の記念行事に近い存在ではないかと思います。三大祭と言われる祭りならもう少し意味深いものでなくてはと思うのは私だけでしょうか。 京都で行われる行事と言えば、日本の歴史を物語る上において建物や文化でも今なお世界からの注目を浴びる存在であることの誇りを持ちたいと思っています。 ちなみに時代祭と花との関わりは、葵祭や祇園祭のように歴史上でこれといったものは今の所見当たりません。京都の祭りにかかわる花をご自分で探してみるのも良いかもしれません。

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