古名は「はちす」。 花托(蓮肉・台(うてな))の形が蜂の巣に似ている所から名付けられました。水芙蓉・不語仙・池見草などと称します。 中国では「荷か」の字を当てます。日本へは仏教と共に渡来した花で歴史は古く、釈迦生誕の故事にも出てくるもので仏教とは深く縁のある花です。 種子は食用として、生でも頂けますが蓮の種ごはん等は精進料理にも出ます。台湾・中国のお土産で蓮の種の砂糖漬けはよくご存じのものでしょう。 京都 宇治の三室戸寺に於きまして毎年蓮酒と称して、大きな蓮の葉にお酒を注ぎ茎からそのお酒を飲むというような催しが有ります。これは蓮の葉と茎の付け根中央部に細い穴が沢山あいています、その穴から葉に注いだお酒を茎を通して飲みます。 いけばなでは、多くの種類の蓮が有りますが小型の茶碗蓮がよくいけられます。時には大きな器に大きな蓮をいけることも有ります。 未生流でも特殊な花の一つで、「伝書 原一旋転」に`白蓮一輪挿け方の心得`として細やかに説明がなされています。 蓮の花には種類が多くありますが、白かピンクの花弁で雄蕊の白いものを使います。八重咲は基本的には使いません。蓮はその出生から浮葉・撞木葉・開き葉・巻葉など景色良く挿けます。花の高さは、花が開くと葉より高く、蕾の場合は葉より低く扱います。 挿けるにあたって大切なことが水揚げです。水揚げとは花を活かす事ですが、葉が大きい分水の蒸発が著しく風に当てるとすぐ枯れます。朝日が上がる前に切り、ポンプで切り口から葉の先端まで水が行くように注入します。後は風に当たらないように出来るだけ深水に着けます。そんな折葉を傷つけないように注意します。 何事も経験してみる事が肝要でしょう。