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7月の花: ヒオウギ

未生流東重甫

七月は夏祭りの花とでも呼びましょうか「檜(ひ)扇(おうぎ)」が思い浮かびます。 檜扇という名は、ヒノキの薄い板すみを綴じて作る檜扇と呼ばれている扇子のような物に似ていることに由来します。 黄色またはオレンジに黒い斑点のある6枚花びらの花を咲かせ、緑色の袋状の実を付けます。この実が、秋に真っ黒の種となりその種を「むばたま」「うばだま」と称します。 万葉集に多く使われ、黒の実から黒い色を連想させる夜・夕・髪などの枕詞として用いられます。 未生流いけばなでは、出生(植物の生え方)から「軸付葉物十二種」に挙げられ伝書体用相応の巻にいけ方も説明があります。 いけばなに使う種類としては、チャボ・コフク・クジャク・ホウオウ等がありますが、一般に花屋さんに出回る種類としてはチャボとホウオウが多いように思います。 【いけ方】 出生から規則正しく軸に付く葉であることから、葉組(葉の組み合わせ)が必要になります。葉組の基本は、用(よう)と留(とめ)に組みます。花が5 本までは用として3枚、留として2枚の葉で足元を囲みます。花が7本以上の場合は、用5枚、留2枚の葉で足元を囲みます。花が11本以上は檜扇には角軸の物があることを想定して、用5枚、留2枚に加え、用へ向う2枚、留へ向う2枚で周りを囲うようにいけます。花の位置は三才格が基本で、添えを応合い、花軸が見えないように足し葉をします。 尚葉組は、出生から、2枚・3枚・5枚組があります。用3枚、留2枚の場合は、用を少し高く表を向う側に葉の先端である爪を向き合わせて2枚組みます。用は留側・留は用側を低く手前に重ね、用は2枚の奥に一番高く先の2枚の高い方に爪が向くように重ねます。5枚の場合も3枚に順序良く左右に加えます。

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