• 未生流東重甫

「華道玄解」荒木白鳳著 閲覧22

「華道玄解」荒木白鳳著 閲覧22

                              2022年2月のコラム


今年も早2月、3日が節分で4日が立春でした。24節気の大寒の次に当たる立春ですので、当然の事ながら寒さがますます身にしみます。新しい年を迎えたとはいえ、普通とはいえない世情の中、皆様にはより慎重にお過ごしください。


昨年は、私にとっての初体験が多くありました。

世阿弥の言葉ではありませんが、「初心忘るべからず、時々の初心忘るべからず、老後の初心忘るべからず」という事で、廻歳であった昨年は多くのことを体験させて頂きました。協力頂いている方達に感謝です。

今では誰もが経験しているであろう「オンライン講座」にも挑戦し始め、2年目の今年はオンラインだからこそできることに挑戦してより内容を充実したものにできればと考えています。

慣れないこととは言え、強力なスタッフに支えられながら、今年も一歩を踏み出しました。


老子の言葉を借りて言うなら、「千里の行は足下より始まる」、所謂千里の道も一歩からという言葉通り、何事にも挑戦する所から始まります。ゼロから進むことはないですがが、足を一歩進めることで多くの世界に広がる気がいたします。

このような思いで今年も前進しますが、華道の未生流には「原一旋轉」という伝書があります。進むだけでは駄目、先ず自身を振り返って観る事も又前進に繋がると説かれています。

今年も三歩進んで二歩下がる。こんな思いで過ごせたら幸せかなと感じております。

でも此の「華道玄解」の閲覧は、まずは最後まで進んで行きたいと思います。今年中に終ることが出来ないにしろ、始めた以上は最後まで進みたく思います。


前回は五行の木・火・土・金・水、それぞれの司るところとして、説明されているのかの「火に屬する部」を読み進めました。今回は『五行の所属と解説』の中から、ものの中心である「土に属する部」を読み進めたいと思います。



「土に屬する部」

方に曰く中央 

土は四方に氣通して本所なし。四方に分かれるは自ら中央出来るまた万物の体質の本は土なる故に中に處し四方に氣を通す故に中位とす。


星に曰く鎭星

鎮星は土星の名なり。甲辰の歳斗の方へ見へ一ヶ年に一宿を行き二十八年にして一周天と謂ふ


色に曰く黄

土の色種々ありと雖も黄色を以つて本色とす、草木枯死して本の土に歸る時。皆黄色となる、故に黄を。土の原色とす。五色の中の和合色なり


氣に曰く意

五氣の中意(こころはせ)は神氣の根基にして和合(わさ)の氣なりと雖も、根基なる故に他に通し易く。善悪何れにも變し易く。感し易し。故に常に一定の決斷なき心なり


卦に曰く艮(こん)

艮は八卦の山の象なり。艮は東北丑寅の方に位して、止まる土なり、止は艮の性なり艮は山なり。山は静なり。止なり。止は。土の止まるなり。上る陽止まる意なり。山は和合の土なり。山は万物を生出すろ處なり。人にとりては小男の位とす


人に曰く信

信は五常の尤も解釋の範圍の廣きもの也各宗教に。信仰は其身を正しくする基とす。佛教に三寶に歸依する事を解脱の道とす歸依(帰依:きえ)は則信なり。佛教僧を信じる事なり佛法に※三寶ある如く。世間法にも之れに比すべき者あり其例

※三種の宝の意:仏教では仏・法・僧。孟子曰く土地・人民・政治。道家では耳・目・口の意


佛法僧 仏教の三寶  (神。君。師)世間の三寶(時代。業。時機)(父母。親友。自己)。

時代と業と時機の三つは自然の與ふる三寶なり父母(○○)親友(○○)自己(○○)は身を起し家を濟(ととのふ)る基なり。是を信ずるは。則人倫の正しき道なり。然れども信土性囑す土性には善悪俱に受入る質あり。故に信も亦各種を含む。則。疑心。自身。迷信。盲信。確信の別あり。是より善悪の結果を來す基となる其例



土は善悪種子を受け入れ善悪俱に生育す信も如是(かくのごとき)の結果であり。故に信を土に属す。


時に曰く季

季とは土用の氣なり春夏秋冬各三ヶ月九十日是れをを時と云ふ。一時九十日の中に土用一八日を引去ると殘る日數。七十二日となる。四時の土用合して。一季十八の數を四季合して亦七十二日の數となる。而して此の四季の氣候には寒暖の差別なし。四時俱に同溫度なり。唯しじにの氣に寒暖の別あるのみなり故に季は四時にありて俱に万物を養成する和合の氣なり、土は和合の性なり故に土に屬す。


神に曰く匂騰

匂騰は中央に處し四神統率する神なりと云ふ佛説の帝釈天の如き者なり


臓に曰く脾

脾は五臓の中。運化を重(つかさ)どり納(のふ)を主とり通して水穀を主とる。情は思とあり。甚しく思へば脾を傷(やぶる)と云ふ。受け納て分布す。故に土に屬す


味に曰く甘

五味の中。甘は味の素なり、調味の本元たり土は諸味を含むと雖も甘味を土の本原として。是れより諸味を別つ。故に、甘を土に属す和合味也


數に曰く五十

五は土の生数、十は土の成数なり、五は戊(つちのえ)の位。十は己(つちのと)の位にして、和合の數なり五ツの點にて知るゝ



音に曰く宮(きゅう)

五音の中に宮音は母音なり。各音皆宮により發す宮は喉(のど)(ノド)の音なり。宮は則本宮の意也 脾臓より出て開口して喉よりの發すなり。五十の中ア行(アイウエオ)ヤ行の(ヤイユエヨ)ワ行の(ワヰウエヲ)音なり。此中ア行は其母音となる喉は人体の關門なり故に各音別々なりと雖も皆宮音と和して發す。土は萬物の質性なり萬物必ず土と和して其体を生ず、故に宮は土に屬す


五行、木・火・土・金・水をいけばなから感じると、自然との関わりの中でとらえてしまいますが、深く意味を知ることでより深く感じ、その感じたものがいけばなに反映されることが花姿においても、性情の意味の深さにおいても何かの役に立てればと思います。

今回は五行の所属から「土に屬す部」を読み進めました。次回は「金に屬す部」に進みます。温故知新ではありませんが、旧い物をただ旧い物としてとらえず、今の時代においても決して旧くない、必要とされることを感じて頂きたく思います。

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